自炊のコスパの話

今日は単刀直入に。自炊のコスパを計算します。

先に言っておきますが、すごく長いです。

きっかけは「なんだかんだ自炊はコスパ良くないでしょ」と言われたこと。やつは自炊は金が掛かる、と言ってのけたのだけど、そいつ自身は別にほとんど自炊していないのだ。毎日のように自炊しているこちらとしては聞き捨てならないので、いっちょ自炊のコスパの良さを見せつけてやろうじゃないか、と思って。おれは本気だぞ。

比較対象はコンビニ弁当とする。からあげ弁当にしよう。

自炊品目は、今回はカレーで計算することに。比較的難しくなく、まずくないものが作れるカレーなら「なんだ、コスパいいんじゃないか」となった時に作りやすかろうと考えたからだ。

 

さて、自炊カレーは一体いくらになるのか?計算に使うレシピはハウス食品株式会社からお借りすることにしました。

housefoods.jp

でも牛肉は高いので鶏肉で代用したいと思います。また、ライスの量は茶碗一杯(0.5合)ということに。

材料の値段は総務省統計局の「小売物価統計調査」を使用します。

統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103

おれは本気だぞ。大事なことなので二回目です。

今回は東京の物価を使用することにした。いよいよ計算だ。

 

まずコンビニ弁当の値段ですが、偶然にもからあげ弁当の項目があるのでそれを使う。いやー偶然だ。偶然だね。平成27年8月時点で419円だそうです。

カレー側ですが、1皿分の値段を計算する。レシピは6皿分で書いてあるので忘れずに6で割らなくては。それぞれの材料の物価は

カレールウ1箱12皿分234円

鶏肉100g137円

玉ねぎ1kg316円

じゃがいも1kg437円

にんじん1kg431円

食用油1本1000g314円

うるち米(コシヒカリ以外)1袋5kg1931円

なので19.5円+45.7円+21.1円+10.9円+7.18円+0.785円+29.0円=

134円(有効数字3桁)!

419円vs134円。圧倒的な勝利だ!!!!やはり自炊はコスパが高いのだ!!!

 

・・・しかし、本当にこれで良いのだろうか?レシピにはまだ計算されていないものがないだろうか。

そう、水だ。

水だってタダじゃないんだから水道代から計算すべきじゃないだろうか。そしてそれを言うなら調理に使ったガス代や電気代も計算しなくてはいけない。

水道水の使用量は、レシピ中の850mLに加えて食後の食器洗いにかかる水60Lも計算する(東京都水道局より)。料金表、シンプルに1m^3あたりいくら、とかだと思ったんだけど、めっちゃ細かいな!

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1人世帯の月使用量は平均で7.8m^3(東京都水道局より)、呼び径20㎜として計算すると0.134円(有効数字3桁)となった。基本料金は自炊しててもしてなくても変わらないだろうから計算しない。

 

ガス消費量は各ガス会社の「標準熱量」というものを使って計算ができる。東京ガスの東京での標準熱量は45MJ/m^3で、1口コンロの発熱量の参考値は2.3kW(日本エルピーガス供給機器工業会より)とする。単位料金は151.43円/m^3となる。

なに?どういうこと?いっぱいググった結果これで計算できるそうです。なんでかは聞かないで。レシピでは調理時間40分となっているので、常時火を点けていたとすると0.184m^3/h×0.667h×151.43円/m^3=18.6円。結局、カレーの中のじゃがいもとにんじんを足したくらいの値段になった。意外とするんだね、ガス。

 

最後に電気代、と思ったけどカレーを作るの自体には電気は使ってないので計算せず。

 

これらのデータを加えて計算しなおすと、自炊のコスパは・・・

153円(有効数字3桁)!!!

今度こそ自炊の勝利だ!からあげ弁当を一年間毎日食べていた場合と比べて自炊をしていた場合291,270円の得になる。つまり、からあげ弁当を毎日食べていた人の貯金が底をついてからも、自炊をしていた人は実に634日間も食事を続けることができるのだ。およそ1年9か月。すごない?どう?自炊したなってきたろ?限られた資金の中で余命を伸ばすには自炊するしかない!!

 

・・・。

いや、本当に自炊の勝利で良いのだろうか?まだ計算されていないものがないだろうか。

Time is money、そう時間だ。調理時間もコストに計算すべきではないだろうか。

自炊をしている時間を使って、コンビニ弁当を買ったやつは働いているかもしれない。この時間に得られたはずの給与を計算に入れなければ真のコスパは求められないだろう!

ここで使うのはこちら。

salarymap.jp

意外と23区外の方が平均給与は良さそう。全国いろんな場所の平均給与が見れてそれなりに面白いのでどうぞ。

今回は、新宿区の平均給与を使って計算してみる。別に新宿区に住んでるからってわけじゃないんだけどね。いやホントに。マジで。なんなら「新宿ってどこ?」って感じ。さて、うまく住所をごまかせたところで、「自炊に掛けた40分+食後の食器洗いに掛かる5分」の間にもし働いていれば得られたであろう給与をコストとして加算する。からあげ弁当は買ってきて完食即捨てればよいので掛かった時間はなしとする。

すると1556円/h×0.75h=1167円となった。これを先ほどの153円に加算して・・・

1320円!!!

ついに有効数字3桁じゃなくなった!いやそこではなくて、からあげ弁当419円vsカレー自炊1320円である。

なんと、トリプルスコアで負けてしまった・・・結局のところ、結論としては自炊の方がコスパが悪いということに・・・マジかよ・・・自炊はコスパよくないのかよ・・・フライパン捨てよ・・・

 

いや、いいや待て。

まだ結論を出すには早急ではないだろうか?何か重要な要素を計算に入れ忘れているのでは・・・?

健康は?

毎日、外食もしくはコンビニ弁当を食べ続けている人だったら生活習慣病になるリスクが高いのではないだろうか?生活習慣病になって病院に掛からなくてはいけなくなったとしたら、これは立派なコストではないだろうか。

tokuteikenshin-hokensidou.jp

こんな記事があったりしたので、からあげ弁当のカロリー超過分から最終的な医療費を計算しようか・・・と思ったのだけど、カロリー以外にも野菜不足だったり塩分の取りすぎだったりの原因も考えると非常に面倒なので、ざっくりと「毎日コンビニ弁当の人はメタボリックシンドロームになるリスクが1.2倍になる」と仮説します。(ちなみにですが、昼も夜も毎回外食だとして1日400kcal摂りすぎの人は1年で16kg体重が増える計算になりました)

 

メタボリックシンドロームのリスクを調べると、こんなページが見つかった。

メタボリックシンドロームに気を付けて!

そしてこんなグラフが。

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メタボリックシンドロームの人は重症だと心筋梗塞のリスクが36倍とかになるらしい!厳密には違うんだけど、メタボリックシンドロームの人は、心疾患の危険因子の数も増える可能性が高いのは間違いない様子。さすがに自炊をしなかっただけでそこまで心筋梗塞にされたら堪らないだろうから、中等度の人の5.8倍のリスクで計算してあげよう。それでも5.8倍。毎日コンビニ弁当の人は自炊の人より約7倍心筋梗塞になりやすいことになっちまいました。心筋梗塞発症率は男性で10万人あたり30~60人(虚血性心疾患の一次予防ガイドライン2012年改訂版より)とのことなので、自炊否定派は0.21~0.42%の確率で心筋梗塞になる。

あと脳卒中のリスクも上がる。脳卒中は一般人口で10万人あたり100~200人で、メタボだとリスクは2倍程度の様子(脳卒中治療ガイドライン2009より)。自炊否定派は0.2~0.4%の確率で脳卒中に。

そして、心筋梗塞で入院すると保険の種類にもよるけど約20万かかるらしい。これを確率で均して計算すると自炊派が60~120円のコスト、コンビニ派が420~840円のコストに。また脳卒中だと一例だけども治療費約50万の例があったので、自炊派に500円~1000円のコスト、コンビニ派に1000円~2000円のコストとして加算。

 

これまでの結果と合わせて計算すると・・・?

自炊:約2160円!!!

からあげ弁当:約2549円!!!

(それぞれ最低値と最高値の平均を取りました)

自炊の方がコスパが良いことが証明された!やったぜ!

 

一時はどうなることかと思いましたが、無事自炊の方がコスパが良いことが証明されました。皆さんもこれをきっかけにして自炊を始めましょう!!

というかなんだこの記事!!!