ラジオの話

先日久しぶりにカラオケに行った。同期数人と、あんまり趣味がかぶってなさそうな数人と行くことになったのでやや曲を選ぶのが難しいなぁ、と思っていたら結局メドレーばっかり入れる流れになった。「200X年男性メドレー」みたいなやつ。こういうメドレーだったらその年に売れた曲ばっかりなのでまぁみんな知ってるだろう、ということなのだけど、意外と知らない曲が入っている。2005年とかだったらだいたいわかるのだけど、2010年くらいを過ぎてからわからない曲の方が増えてくる。わからん。わからんわからんぞ・・・?特にジャニーズとかAKBとかのアイドル系の曲が全然わからん、と思ったところで「ああ、ラジオのせいだな」と気づく。

 

音楽雑誌を読み漁って流行をチェックしたり、テレビで音楽番組を観たりも積極的ではなかったので、J-POPの流行に着いていくのはもっぱらラジオ経由だった。「ラジオをずっと点けっぱなしにしておくと、話声がするから空き巣に狙われにくくなるんだよ」と母がどこから仕入れたのかわからない知識によって、家では常にラジオが点いていた。ラジオ局はJ-WAVE。選局も母によるものだったけど、「文化放送を入れたかったけど家じゃ入らなかったから」みたいな理由でたまたま代わりに選ばれたらしい。

このJ-WAVEというラジオ局は、どうやら初めてJ-POPという言葉を作って使い始めたラジオ局でもあるらしく流す曲は流行りのJ-POPはもちろん洋楽もロックも、といった感じ。まぁそんなに他のラジオ局を聞いたことがないのでわからないのだけど、でも音楽に強めのラジオ局なんじゃないかと思っている。Wikipediaをみたら「バブル景気中に各地に設立された”お洒落な音楽だけを流し続ける”FM局の一つ」と書いてあった。そうなの?

「お洒落な音楽だけを流し続ける」FM局の一つであるJ-WAVE、もともとは洋楽しか流さなかったんだって。それでJ-POPという言葉を作ったのと同時期から邦楽も選りすぐって流すようになった、みたいなこともWikipediaに書いてあった。そんなJ-WAVEを聞きながら中学高校時代、ずっと育ってきたので知っている曲、聞いたことある曲のリストが「J-WAVEで掛かる曲」にほぼ限定されてきた。別に困ることもなかったし「お洒落な音楽だけを流し続け」てくれるおかげで満足もしてた。でも途中でこの選曲にやや偏りがあることに気が付いた。

ここでやっと最初の、ジャニーズとかAKBとかのアイドル系の曲が全然わからないという話に戻ってくるのだけど、J-WAVEで流れる曲の中に、本当に全くと言っていいほどジャニーズとかのアイドルの曲がない。J-WAVEに流行曲の更新を任せていたから、たまにテレビで音楽番組を観たりするとランキング上位のアイドル曲を全く聞いたことがなかったりした。本当に、本当に徹底的にアイドル曲が流れない。たぶん開局当時のこだわりの名残なのだろうなぁ。調べたけどはっきりと書いてあるところはなかったです。

 

そんな何年間も聞き続けていたJ-WAVEだけど、一人暮らしを始めてラジオはないけどテレビはおいてある部屋へ引っ越したから全然聞かなくなっていた。聞かなくなっていたことにも気が付いてなかったんだけど、「そういえばずっとJ-WAVEを聞いてたんだ」ということを先日のカラオケで思い出した。しかもアイドル曲が全然わからないから、という理由で。いくらなんでもそんな思い出し方ないだろ、と自分でちょっと笑ってしまった。

そのほんの数日後に遊びに行った友人宅で、ラジオが掛かっていた。J-WAVEである。あまりの懐かしさに「これJ-WAVEだろ?!」って聞いてしまった。彼はrajikoというサイトを使ってJ-WAVEを聞いていた。rajikoというのはラジオがなくてもインターネット回線を使ってラジオ番組が聞けるというものなのだけど、rajikoがあることを完全に忘れていた。

じゃあラジオがなくてテレビしかない部屋でも、またJ-WAVEが聞けるのか。帰ったらJ-WAVEかけてみよう、と酒で酔った頭で思ったんだけどその時rajikoから「今の若い人には、rajikoじゃなくてラジオで番組を聞いて欲しいんですよね」と熱弁するゲストの話が聞こえた。ごめんなさい。今もrajikoで聞きながらこれを書いてます。やっぱりテレビと違う良さがありますね。ラジオの話、というかrajikoの話でした。