旅行@宮城の話(その2)

nekodaisei.hatenablog.com

無事に深夜のドライブを終えて仙台に到着しました。白いびしょぬれの女も後部座席にいつの間にか座ってたりしなかったけど、後部座席にすでに3人乗ってたからかもしれない。

あれ、なんか急に座席狭くなったな・・・?おいこっち狭いんだけど、寄ってくるなよ。いや、俺はそっち寄ってないよ。というかこっちも狭いし。あれ?じゃあこれは・・・?うわー!いつの間にかびしょびしょの女が席を詰めて座ってる!

とはならないよね。全然気が付かないうちに席を詰めちゃうところまで含めて幽霊なのかな?

 

さて、最初の目的地は鳳鳴四十八滝。なんでこんな名前かというと、数多くの滝がわかれ流れ落ちるその音がまるで鳳凰が鳴いているかのように美しく響くから、らしい。仙台から1時間くらい走った山の中、ふいに看板が現れる。このあたりが鳳鳴四十八滝らしいぞ!

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駐車場から降りたらもうすでに紅葉がばっちり!本当に北と南だと季節が違うんだなぁ。ざくざく歩いて行くと、滝が見えるスポットがあったぞ!

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滝、すごいんだけど遠い。幹線道路脇の崖の上から滝を見下ろすような感じでした。もうちょっと近づけると良いのだけど。これだけだと全然48もないので他の場所を探す。

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滝だー!!絶景です。松尾芭蕉じゃなくても一句詠みたくなるくらい。

でも滝が見えるのはこの2点だけだったので、全然48に足りない。多分この渓流に沿って見てみれば48あるのかもしれないけど、車で行けて駐車場から見えるのはこのくらいでした。下に降りられれば良かったのだけどね。いやでも良い景色でした。この滝だけを目当てに行くとちょっと拍子抜けしちゃうかなぁという気はします。

 

さて次はニッカウヰスキー工場だ。鳳鳴四十八滝からはすぐ。「ニッカ橋」という橋を渡って工場へ到着。10時くらいだったと思うのだけど、すでに駐車場には車がいっぱい。蒸溜所ガイドツアーの受付にもすでに人がたくさん待っていたけど、ほとんどが高齢者でした。

いざガイドツアー出発!

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これはキルン棟。原料の麦を乾燥させてモルトを作るための建物。この特徴的な形がウヰスキー工場のシンボルみたいになってるんだって。

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工場の中に入れてくれて見学ができる建物もある。これは麦汁を発酵させる槽。平べったく見えるけれど、地下1階までずっと伸びていて実際には3階建てくらいの高さがあるとのこと。この建物付近から、空気中に不思議な香りが漂ってました。ほんのり甘い、パンのような香り。原料の麦の香りなんだと思うけど、今まで嗅いだことのない香りでしたぜ。

そして蒸溜棟へ。

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上の方にちょっと見えている銅製のラッパを伏せたような形をしてるやつ。これがポットスチルという蒸溜器なんだそうだ。もっと見やすい写真を撮ったはずなんだけど、スマホから消えていました。幽霊のしわざか!?

北海道にある第一号のニッカウヰスキー工場とはこの蒸溜器の形が違っていて、ウイスキーの風味も異なるらしい。宮城のウイスキーの方が香り高くてまろやかな味になるとのこと。蒸溜器の上の方にしめ縄が結んであって、これは「美味しいウイスキーができますように」と神様にお願いしているんだそうだ。創業者の竹鶴政孝の実家が日本酒の杜氏だったらしく、日本酒と同じようにしめ縄を巻いたんです、とのこと。この建物はさっきまでのパンみたいな匂いとは変わってウイスキーっぽい香りになっていました。

そして貯蔵庫。ここで貯蔵する過程で熟成が進むのだ。

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・・・写真が白とびしちゃって全然だめだな。スマホの限界を感じます。一番右端の樽に半分だけ茶色いウイスキーが入ってるのはわかると思うんだけど、もともとは樽いっぱいに入っていた無色透明なウイスキーがだんだん茶色く色づいていって、また量もちょっとずつ減っていくのだ。このなくなった分のウイスキーを天使の分け前、というそうだ。

そして試飲!しかしドライバーはウイスキーじゃなくてソフトドリンクが出るぞ。結局お酒に弱い2人と「まだ運転したい」という1人が試飲しなかったのでドライバー問題はなんとかなりました。ちなみに、ドライバーは1人最初に首から「試飲しません」タグをぶら下げることになってるのだけど、見学が終わった時にタグと記念品のボールペンと交換してもらえます。

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試飲できるのは三種類。スーパーニッカと竹鶴、アップルワインの3つ。竹鶴とスーパーニッカはあんまり色の違いはわからないけど、香りと味は少し違う。アップルワインが全くの別物なので、それを飲んじゃうと違いがわからなくなっちゃうけど・・・!ウイスキー経験値がもうちょっとあれば香りの違いが、とか言えるんだろうけど。スーパーニッカよりは竹鶴の方が好きだったなぁ。

ちなみに、この写真のウイスキーは「もうちょっと運転したいから」というやつがもらうだけもらって匂いを楽しむだけ楽しんで飲まなかったやつなので、自分だけ倍量のウイスキーを試飲することになって完全に酔ってしまったよ。アップルワインのハイボールが一番美味しかったです。

写真はこんなものだけど、いくつか小ネタエピソードを。この宮城峡工場は周りが完全に森で、工場の敷地内にも木が何本も生えている。そして電線も全くない。建物の外壁は全部赤レンガでおおわれている。これは創業者の竹鶴政孝が「自然を大切にしなければ美味しいウイスキーはつくれない」という思いから樹木の伐採を最低限にして電線を埋設。景観重視で赤レンガを使った、ということのようです。中はばっちり近代化されてるんだけど、外見だけだと明治時代にタイムスリップしたような風景です。

また、近くに流れている川の水を気に入ってここに工場を建てることに決めたらしいんだけど、その川の名前が「ニッカワ(新川)」だった!本当に偶然らしいんだけどそんなことある?会社名のニッカの由来は、創業当時はウイスキーが売れないので(5年は熟成しないといけないから)リンゴジュースとかを売っていたらしいのだけど、その時の会社名「大日本果汁株式会社」を略して日果でニッカなんだそうな。

最後に、同じ目に合わないための注意なんですけど、駐車場にある自販機はおつり返却レバーを押してはダメです!160円入れてお茶を買おうとしたやつにいたずらでおつり返却レバーを押したら、なぜか20円しか出て来ず。「あれ?」念のため、念のためもう一回20円を入れてみるけどやっぱり20円の表示。「ここでもう一回返却レバーを押したら全部返ってくるんじゃない?」1円も出てきませんでした。別の160円を入れたら買えはしたので、320円の六条麦茶の完成だ!いたずらで返却レバーを押すもんじゃないね。

 

今回はここまで。次は最高の紅葉スポット「鳴子峡」だ!写真を貼りまくることが予想されます。