旅行@宮城の話(その6)

nekodaisei.hatenablog.com

前回までのあらすじ。焼き牡蠣食べ放題を待つために松島で2時間観光することにしました。

 

通り沿いに歩いていると、「牛タンまんじゅう」なるものを発見。どう考えても美味しい。さらに同じ店で、ずんだ餅アイスも売っていた。牛タンにずんだ餅、宮城名物をしっかり押さえてきてるあたり流石観光地だ、と言ったところか。ちなみに、各県の名物の知識は主に「ラーメンズ」のコントである「不思議の国のニポン」によります。要するにずんだ餅と牛タンしか知らない。

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続いて出くわしたのは笹かま。笹かまも名物なの?それも、自分で手焼き体験ができるとのこと。一本200円と格安なので、名物かどうかはともかくやってみよう、といざお店の中へ・・・と思ったのだけど、覗いたら満席っぽかったので引き返してしまった。どうもお店の中に囲炉裏みたいな焼き場があって、そこで笹かまをあぶるスタイルの様子。残念だがしょうがない、他のものを見よう・・・と思って進むとまた笹かまの手焼き体験のお店。やはり名物なのかもしれない。試しに「笹かま 名物」で検索したらばっちり仙台が出てきました。自分の無知をさらしてしまった。

何はともあれ、今度の笹かま手焼き体験のお店は空きがありそうだったので早速トライ。200円と引き換えに竹串に刺さった真っ白な笹かまを渡される。今は普通のかまぼこっぽい。試しにかじってみたけどやっぱり普通のかまぼこでした。美味しいけど、やや物足りない感じ。松尾芭蕉も「笹かまは焼いてなんぼ」って言ってたけど間違いないね。言ってないね。「向こうで焼いてくださいねー」ということで向かうと焼き網が用意されていた。熱がどんどん漏れ出てきていて、近づくだけで熱い。笹かまなんてすぐに焼けちゃうんじゃないか?

焦げることを恐れて網から距離を取る。しきりにひっくり返して焼き目を確認する。まだ白い。まだ白い。まだ。まだ?意外と焼けないぞ、ということがわかってきたので、網に直接笹かまを置いて待つことにする。まだ白い。こんなに熱いのに。やや焦げ目がついてきた。先に焼き始めていたカップル、まだ焼いてる。端っこだとなかなか焼けないんじゃないか、ということでなるべく真ん中まで笹かまを押し出す。そのままさらにしばらく待っていると、突然笹かまが動いた!もう一生白いままなんじゃないかと思っていた笹かまが、しっかりと焼けて膨らんだのだった。油断しているうちに美味しそうな見た目に変わっていた。久しぶりに会った同級生がめっちゃ美人になってた、とかこういう感じなんじゃなかろうか。でも、反対の面も焼かないといけないんだ・・・そうしてもう片面をじっと焼いている間に彼女は他の男と幸せになっていく。焼きあがった笹かま、しっかり味わいました。旨い。やっぱり笹かまは焼いてなんぼだ。多分伝わってないだけで松尾芭蕉も言ってるよ。

 

他にせんべいも食べた。字数の都合で省略するけど。ちなみに「せんべい 名物」で検索したら「名物せんべい」という南こうせつの曲がヒットしました。そんな名物せんべいを食べながら、ついに食べ物以外の場所へ向かいます。

それが国宝・瑞巌寺。さっきまで食べ物の話しかしてなかったのに突然高尚な場所へ来た。ずいがんじ、と読みます。たまたま本堂が工事中だとかで、代わりに普段は公開していない庫裏を期間限定で公開しているとのこと。

拝観料を払って中へ。すぐに工事現場が目に入るのだけど、本堂とは別の工事に見える。何しろ建物がない。何を工事しているのだろう?と思ったのだけど、どうやら津波による塩害でダメになった敷地内の林を復活させるために、土の入れ替え作業をしているようでした。海岸沿いの建物はだいたい復活していたけど、まだダメージが残っているところもあるのだな。

敷地内の岩山に、いくつも四角く穴が掘られていた。穴の中には仏さまが置かれていたり、岩山から直接仏さまが掘り出されていたりする。この穴で亡くなった人の供養がされたりしていたそうだ。

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どうしてこんなにぼやけているんだ。

限定公開だという庫裏に入らせていただく。外側の写真、撮ってなかった。

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このくねくねとした梁が、自然のそのままの形を利用した梁だそうで、なにか名前があったと思うのだけど忘れてしまった。ここにはJRの寄付で作られた観音像があった。外にも鉄道関係の殉職者を祭った記念碑が建っていたりしたので、こことJRは何かしら関係があるのかもしれない。

こんな景色の見れる窓もあった。相変わらずぼやけてるけどもう気にしない。レンズが汚れていたか何かでしょう。

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庫裏ってなんだろうと思っていたけど、禅宗の寺の台所なんだそうだ。「日本三大庫裏の一つ」らしいけど「日本三大庫裏」って初めて聞いたよ。

そして仮本堂。本堂が改修工事中の間、代わりにこちらにご本尊などを移して特別公開をしていました。

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この部屋、入った瞬間から金ぴか。一面金色の屏風があるので迫力がある。でも実際には写真による復元なので、これらの屏風の表面はつるっつる。本物はちゃんと別保存らしい。上の写真の中央の観音様がご本尊です。その右側に並んでいるのが伊達政宗の位牌。

急に真面目な話になりましたが、このあたりで2時間が経過。そう、ついに焼き牡蠣食べ放題の時間になったのだ!せっかくありがたいものをいっぱい見たのに、食欲の俗世へ逆戻りである。瑞巌寺、次に来るときは本堂の改修が終わった時にしたい。つるっつるの屏風も良いのだけどね。

国宝 瑞巌寺

 

ようこそ俗世へ。そこは焼き牡蠣食べ放題ハウス。建物は完全にプレハブで、牡蠣をひたすら焼いて食うためだけに作られたような場所だ。絶対に国宝にならないのは間違いないけど、国宝になるとかならないとか、牡蠣が食べられれば関係ない、そうだろ?

こんなこと言ってるけど、初めて牡蠣を食べたのはほんの2時間前とかだったので、自分が牡蠣を好きか嫌いかもまだわかってない。でも迫力はすごい。

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なるほど、これは食べ放題でしょうよ。この焼き台のうえにシャベルで牡蠣をどっさりと持ってきたあと、ふたをして蒸し焼きにする。その間15分。どんどん隙間から湯気が出てきて磯の香りが鼻をつく。温かい磯の香りって別にさわやかでもないしかといって食欲をそそるわけでもない、しっとりとした違和感を感じる。15分経ったところでふたがオープン。スタッフの方が中心に温度計を突き刺しながら説明をする。「80℃超えてますんで、牡蠣の中のノロウイルスは死滅してます。ちゃんと熱くなってる牡蠣を食べてくださいね」。

ちなみに、完全セルフ仕様です。バットと軍手、箸、トング、貝殻をこじ開けるようのペーパーナイフみたいな形のものがセットで配られるので、それらを使って勝手に食べてね。

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醤油だけでいただきます。うん、牡蠣おいしい。嫌いじゃなくてよかった。そして自分で牡蠣の殻をむくのが意外と楽しい。せっかくの食べ放題なんだから無限に食ってやるぞ、と意気込んでいたけどさすがに45分間も牡蠣だけ(本当に牡蠣だけ)だと途中で味に飽きてきたので、ひたすら牡蠣を剥いては隣の人に食わすマシーンになってた。せめて剥くだけでも楽しみたかったの。

 

そして牡蠣食べ放題は無事終了。翌日に嘔吐・下痢などの症状が出なかったという意味での、無事終了です。そしてこの牡蠣食べ放題の無事終了をもって、今回の宮城旅行も無事終了となった次第です。

たった二日、何の変哲もない土曜日と日曜日で出かけた宮城旅行だったのだけど、こうして振り返るとずいぶんと濃密な旅だったなぁと思う。土日だけで十分旅が楽しめることが明らかになったのも含めて得るものの多い旅行でした。それにしてもずいぶんまとめるのに長くなった・・・もう当分旅行の話はないと思います。