読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

メリークリスマスの話

12月25日。なんの日ですか?予定はありますか。

世間ではクリスマスとか言ってるそうですね。メリークリスマス!なんて言っちゃってね。僕は12月25日と言われても、「あぁ、この間買った食パンの賞味期限だったな」としか思いません。楽しげなメリークリスマスの言葉を聞きながら、食パンの賞味期限を思い出す。なんと非対称な光景だろうか!

しかし、実はこっちの方が本来のメリークリスマスの意味からすると近いということはご存じでしょうか。意外と知らない人も多いかもしれません。メリークリスマスという言葉自体はクリスマスとは何の関係も、本当はないんです。


メリークリスマスの歴史自体は実はそんなに古くなく、19世紀ほどからになります。

当時ライ麦パンが主流だったイギリスにおいて、初めて今のような白い食パンを売り始めたのがクリスさんという人でした。固めであったライ麦パンに対してふわふわで柔らかく、真っ白な食パンは瞬く間に話題となり、クリスの白い食パンはイギリス中で大ヒットになります。あまりの人気に焼きあがったパンは即完売、常にお店の前には食パンが焼きあがるのを待つお客さんが並ぶようになりました。

でもパンが焼きあがるにはそれなりの時間がかかります。その間ひたすら待っていてもらうのも申し訳ないなぁ、と考えたクリスは、食パンが焼きあがると曲を掛けてお客さんに知らせるようになりました。いつものあの曲が流れたということは食パンが焼きあがったということだ!いつもの曲が流れだしたのをきっかけに、町中のお客さんがクリスの店へと集まってくる、というわけです。その様がさながら行進のように見えるので、いつしか焼き上がりの曲は「クリスのマーチ」と呼ばれるようになりました。

そんな伝統が続いたパン屋の二代目がメリー。メリーはクリスの娘でしたが、パン焼きに忙しかったクリスに代わってパン屋の常連客であるおばちゃん連中に面倒をみてもらっていました。おばちゃん連中のおしゃべりの中育ったメリーもやっぱりおしゃべりが大好き。クリスの後を継いでパン屋の二代目になってからも、待っているお客さん相手に延々と世間話をしていました。あまりに話し好きなものだから、食パンの焼き上がりを忘れてしまうくらい。その頃には店も大きくなっていたから、メリーがうっかりしていても他の店員がちゃんとクリスのマーチを流してくれるのだけど、それにすら気が付かないでおしゃべりをしているメリー。それでおしゃべりをしていたお客が言うわけです。「メリー、クリスのマーチが鳴ってるよ!パンが待ってる!」


このパン屋の常連客に、イギリスでは有名な劇作家がいました。彼はメリーのおしゃべりが大好きだったし、おしゃべりからヒントを得て劇を作ったりもしていました。そんな彼がある時作ったのが「メリーのパン屋」という劇。有名な劇作家が脚本を作り、当時の大人気のパン屋がモデルになったということもありますが、メリーのおしゃべりと常連客のコミカルな掛け合いが本当に面白く、イギリス中で大ヒットをします。劇中のセリフにももちろん採用された「メリー、クリスのマーチが鳴ってるよ!パンが待ってる!」は当時の流行語になり、イギリス中のパン屋で「メリー、クリスマーチ!」と焼き上がりを知らせるようになるのです。いつしかこの言葉は焼き上がりだけでなく、パンが待ってる状況(おいあんた、まだ食べ終わってないのかい!パンが待ってるよ!とか)にも使われるようになり、次第に食パンの賞味期限に対しても使われるようになって行きました。

「メリー、クリスマーチ!」というフレーズはそのうちケーキに対しても使われるようになりました。この先、この言葉が「メリークリスマス!」に変わるまでの過程には所説あるのですが、一つには、イギリスからアメリカを伝わり日本に来る過程で訛ったり変わったりしてメリークリスマスになったという説。もう一つは12月25日にもケーキを食べる時に「早く食べようぜ!ケーキが待ってる!」という意味でメリー、クリスマーチ!と言っていたのだけれどクリスマーチとクリスマスが似ていることから掛詞のように使われ始めた、という説です。

どちらの説が正しいにしろ、メリークリスマスという言葉を聞いて食パンの賞味期限を思い出すのは言葉の由来からすると何も間違ってはいないわけです!

 

まぁ、モチのロンですが、そんなわけないですね。上に書いたことは最初から最後まで全部嘘です。そんなパン屋はない!食パンの賞味期限以外の予定が何もないからってでっち上げた嘘だ!だからってそんな、かわいそうなものを見る目をするな!解散!解散!ここは動物園じゃないんだ!見世物じゃないんだぞ、ちくしょう!メリークリスマス!