コンロの話

ずーっと前のことだけども、「コンロが強火にしかならない」「弱火にしようとすると火が消える」「しかもセンサーのせいか勝手なタイミングで強火になったり弱火になったりはする」という話を書いた。

nekodaisei.hatenablog.com

このブログを初めて二日目に書いたやつだ。ここで「コンロの説明書が見つかったら火力調節のページを読みたい」と書いていた。このコンロを使い始めて4か月の時点である。未だにこのコンロ、強火で点火された後につまみを回していくと弱火になることなく火が消える。点火を1、消火を0とするとその間が全くない。0か1かしかないようなこんな飛び飛びの値をとるものを「デジタル」と表現します。

デジタル英語: digital, 英語発音:[ˈdiʤətl]。ディジタル)量とは、離散量(とびとびの値しかない量)のこと

Wikipediaより。つまりこのコンロはデジタル家電だ!やった!おそらく世界で一番不便なデジタル家電じゃなかろうか。

 

ここで、先日のエアコンが壊れた話にいったん戻ります。エアコンが壊れた話を書いた直後から急激に気温が低下。「まぁエアコンなくてもなんとかなるやろ」と思っていたのが深刻な体調不良の予感が漂ってきた。部屋で暖を取る方法が布団にもぐるしかない。発熱する製品がドライヤー、アイロン、コンロくらいしかない。「寒いからアイロン掛けでもするか」という発想がナチュラルに出てきてまでになってきたころ、とうとう奥の手としてのお風呂を解禁することにした。もちろん今まで体中に垢を貯めこんできたとかそういう意味ではなく、シャワーだけで済ませる欧米スタイルから湯船に熱いお湯を貯めて自ら進んでゆだりにいく江戸っ子スタイルへと変更を余儀なくされた、というだけの話だ。

しかしここにも一枚の壁が立ちはだかる。お風呂の自動湯沸かし器にも、説明書がなかったのだ。Yahoo!知恵袋にも似たような質問があふれていたので、恐らくどこの賃貸アパートも同じような状況なんじゃないかと思うのだけど、引っ越した時に最初から備え付けられていたものというのはかなりの確率で説明書がない。説明書なんかなくても操作できるものがほとんどだからだろう。「ふろ自動」と書いてあるボタンを押せば風呂が自動で湯張りされて熱々のお湯がたまるはずだ。はずだ・・・よね?でもこのボタンを押すことをためらわせることがあったのだ。

 

引っ越した直後のガス点検の時のこと。まだほとんど何もない部屋でガス会社をTwitterなんかを見ながら待っていると、そろそろ若手とは呼べなくなってきた感のあるお兄さんがやってきた。コンロの点検(火が付くかどうかだけだったので、強火にしかならない仕様には気が付かなかった!)と蛇口からお湯がちゃんと出ることを確認して、お風呂の点検へ。「ふろ自動」のボタンを押すと、ちゃんとお湯が出るかどうか確認してくださいね、とのこと。お湯、ちゃんと出ました。その後、屋外の計器を確認して戻ってきたお兄さんが、妙な発言をした。

「あれ、このボタンは追い炊き用みたいですね、たぶん」

確かに手に持っていた紙には何らかの異常を示す文言があった。まぁ追い炊き用だからでしょう、という。そして、点検で問題ありませんでした、という内容の証明書かなんかを出して、お兄さんは帰って行きました。

 

追い炊き用???「ふろ自動」なのに???お湯を張るところまでは手動なの???と今にして思えばおかしいことはわかるんですが、その時は「そんなもんなのかな」と納得してしまったのです。だから、説明書が必要だった。追い炊きじゃなくて、自動で湯張りをするにはどうしたらいいのか?

ということで家中の、説明書が埋まっていそうな場所を漁りまくっていたのが先々週のこと。漁った結果、お風呂の説明書ではなくてコンロの説明書が見つかったのだ。やっとコンロの話に戻ってきた。コンロの説明書がついに見つかったということは、見るべきは一つだけ。火力調節は可能なのか?

はたして、説明書には火力の調節方法が書かれていた。実にシンプル。

 

点火した後、つまみをゆっくり戻しましょう。弱火になります。

 

ならないよ。

ならないんだよね、それだと。

念のため、つまみをひねってみたけどやっぱり火は消えてしまった。

もう一度説明書を見返すけど、それだけ。

故障かな?と思って「故障かな?と思ったら」のページも見たけど、そんな症状はない。なんだこれは。とりあえず、仕様だと思っていた「強火にしかなりません、つまみを回すと火が消えます」というのは全くもって仕様ではないということだけはわかった。当たり前だ。弱火に出来ないコンロとか誰が使うんだ。

結局、説明書は見つかったけど「デジタル」コンロはそのままになってしまった。一方でお風呂の説明書は見つからなかったけど、ダメ元で「ふろ自動」ボタンを押してみたらあっさりと何の問題もなく湯張りされた。もう自分しか信じられなくない?